2016年8月9日火曜日

変形性関節症で認められる生理学的異常

変形性関節症では、関節軟骨の変性(摩耗)が生じています。
変性に伴い軟骨が薄くなり、硬骨への直接的な圧迫刺激が増加した状態です。


変形性関節症1

変形性関節症で認められる生理的現象には、いくつかありますが、ここでは関節内(滑膜内)における異常についてまとめておきます。

滑液の異常

  1. ヒドロキシアパタイトやカルシウム塩の結晶沈着
  2. 結晶が関節軟骨を摩耗させる
  3. カルシウムパラドックス

アパタイト結晶沈着について

アパタイトとは塩基性リン酸カルシウムのことです。この物質の濃度が体内で高くなると、石灰性の沈着を引き起こします。
石灰性沈着は、石灰沈着性腱炎、石灰沈着性関節周囲炎、進行性全身性硬化症、皮膚筋炎などの症状の原因となります。
中高年に多く、特に肩関節(棘上筋腱)が好発部位です。五十肩においても認められる場合があります。また、変形性関節症では滑液に石灰性沈着が発生しています。

棘上筋腱
棘上筋腱に認められる石灰性沈着(矢印)

すると、ヒドロキシアパタイト結晶が、腱や靭帯から関節腔、関節包に漏出し、異物性炎症を起こし、急性関節炎症状や関節周囲炎症状を引き起こすことになります。


石灰性沈着物質が関節軟骨を摩耗

滑液は関節軟骨の再生のための栄養源となっています。
滑膜内で発生した石灰性沈着は、滑液からの栄養を受け、次第に大きくなっていきます。
そして、関節の間で挟まれ関節軟骨を摩耗させます。従って、変形性関節症の進行を促します。

カルシウムパラドックス
カルシウム摂取量が不足すると、骨や歯からカルシウムイオンが溶け出し、体内のカルシウム濃度が上昇します。
つまり、カルシウム摂取量が満たされていないにも関わらず、体内のカルシウムイオン濃度は高まっていきます。
その結果、骨密度は低下し、身体の細胞は硬くなってしまいます。





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