2016年10月25日火曜日

甲状腺ホルモンと線維筋痛症の関連性について

甲状腺自己抗体とは?


線維筋痛症患者の多くに甲状腺自己抗体が認められています。自己抗体と言うのは、自己を非自己と誤認することによって形成される抗体のことです。


従って、甲状腺自己抗体というのは、甲状腺で生成されるタンパク質(ホルモン)を排除しようとする時に形成される抗体のことです。

自己免疫疾患では、このような自己抗体が形成されることにより、様々な症状を引き起こしています(これらの抗体の有無を測定することが検査になります)。

線維筋痛症と診断された患者の多くには、この甲状腺自己抗体が検出されています(TSHと甲状腺ホルモンの値は正常)。従って、線維筋痛症患者の多くは、実際は甲状腺機能低下症であることが多いです。

線維筋痛症の症状について


線維筋痛症の典型的な症状には、以下のようなものがあります。

  • 全身の痛み
  • 風邪にかかりやすい
  • 鋭い圧痛
  • 胃腸障害
  • 慢性的な疲労感
  • 全身のこわばり感
  • 睡眠障害
  • うつ
  • 感覚まひやしびれ
  • 記憶障害
  • 集中力欠如
  • 乾燥肌
  • 不安症
  • 頭痛


特に全身の痛みと睡眠障害は、甲状腺ホルモンの分泌が減少することで生じる症状でもあります。

線維筋痛症の圧痛点

  1. 後頭部
  2. 肩甲骨の間
  3. 前頚部
  4. 肘の外側
  5. 股関節
  6. 膝の内側

 

線維筋痛症と甲状腺機能低下症


甲状腺ホルモンには、我々の身体で生成分泌される他のホルモンへの感度をコントロールする役割があります。
一方、線維筋痛症は中枢神経系(脳+脊髄)にける神経伝達物質のバランスが崩れることで、痛みに対する感度が上がっている状態だと考えられています。

線維筋痛症と甲状腺機能障害は共に、甲状腺ホルモンの分泌障害によって引き起こされているのではないかと思われます。

甲状腺ホルモンはセロトニン濃度と間接的にリンクしています(セロトニンは脳内神経伝達物質の一つであり、線維筋痛症患者のセロトニン分泌は低いことがわかっています)。

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また、甲状腺ホルモンには睡眠サイクルをコントロールする役割もあります。線維筋痛症患者の症状の特徴に睡眠障害がありますが、このことからも甲状腺機能低下症との関連が示唆されています。


ポイント

1.   甲状腺ホルモンは睡眠サイクルをコントロールしている
2.   甲状腺ホルモンは他のホルモンへの感度へ影響を与える



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