臭素は内分泌系の機能に大きな影響を与えます。化学記号ではBrと書き表されます。臭素はヨウ素の吸収を著しく阻害する物質です。
従って、甲状腺ホルモンの分泌障害を引き起こす可能性があります(ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料)。
臭素は以下のようなものに臭素は見つかります。
- 殺虫剤
- プラスチック
- パン
- ジュース
- 薬
- プール・公衆浴場
パンには食品添加物(臭素酸カリウム)として使用されています。
海外の多くの国では使用が禁止されています(イギリス、ドイツ、中国など)。
しかし、日本では自粛勧告はされていますが、法的に使用は未だ禁止されていません。
プールや公衆浴場(銭湯)などでは、消毒薬として使用されていることがあります(塩素に代わって)。
臭素が健康に悪い理由
臭素が体内に取り込まれると、ヨウ素不足が生じます。
ヨウ素不足によって生じる疾患には、甲状腺機能障害の他に、乳がんや前立腺がんなどの悪性腫瘍があります。
また、臭素は中枢神経系に蓄積することで、精神障害を引き起こすとも言われています。
1920年から60年までの間に統合失調症と診断された患者の20%以上に臭素が関連していました(参考リンク)。
統合失調症の他には、以下のような症状が引き起こされると考えられています。
- 発疹・にきび
- 食欲減退
- 疲労
- 不整脈
- 胸やけ
- 頭痛
臭素と甲状腺
臭素とヨウ素は、同じ受容器を競合します。
従って、臭素が多ければ、それだけヨウ素と受容器が結合しにくくなり、結果的に吸収率が低下します。
ヨウ素が不足すると、甲状腺ではホルモン(甲状腺ホルモン、主にT4)を分泌できなくなります。
甲状腺機能障害には、低下症と亢進症があります。
これら二つのうち、低下症の方が圧倒的に多く見られます。
潜在的リスクを抱えている人を含めると、その割合は10%以上になると考えられています。
これら10%の人たちには、強い自覚症状は現れていませんが、何となく疲れ易いとか体脂肪が付き易い(肥満症)などの症状が現れています。
臭素を体内に取り込まない方法
- 有機栽培の食品を選ぶようにする。野菜はしっかり洗うようにする(殺虫剤を除去)。
- プラスチックに入った飲み物を避ける。
- パン類を食べるときは臭素が使われていないものを選ぶ(もしくは全粉粉)。
- 炭酸飲料は飲まない。
- 化粧品、シャンプー、石鹸など臭素が添加されているものを使わない。