葉酸は胎児にとって非常に重要な栄養素だと言われています。
葉酸を摂取することで、胎児の先天的疾患が生じるリスクを低くします(従って、妊婦の方は葉酸をしっかり摂取することが大切)。
また、最近のリサーチによると、葉酸は心臓疾患の予防にも効果があることがわかっています。
葉酸は葉野菜(アスパラガス、ほうれん草、ブロッコリーなど)に多く含まれていますので、これらを積極的に食べることが心臓の健康にとって重要です。
葉酸は脳梗塞のリスクを減らす
脳にある動脈の一部に閉塞が生じ、血流が阻害された状態が脳梗塞です。
そして、血流が阻害されることで動脈の内圧が高まり、破裂してしまうこともあります。
高血圧や高脂血症などが脳梗塞の発症リスクを高めます。
従って、普段からこれらのサインには気を付ける必要があります。
ここに興味深いリサーチがあります。
この論文の研究者によれば、このような現象は高血圧症でない人にも当てはまるとのことです。
つまり、葉酸を普段から十分に摂取することで、脳梗塞のリスクを低く抑えることができます。
また、別のリサーチにおいても、葉酸サプリメントの摂取により、脳梗塞リスクが18%低減したと報告されています。
体内の葉酸レベルを上昇させる方法
普段の食事から葉酸を摂取すること、さらにサプリメントを利用して摂取量を補う必要があります。
しかし、折角摂取しても、それらが体内に取り込まれなければ意味がありません。
葉酸が栄養素として活用されるためには、5-メチルテトラヒドロ葉酸(5-MTHF)の形でなければなりません。
5-MTHFの形になって初めて血液脳関門を通過できるようになるからです。
通常、体内で葉酸は5-MTHFに変換されるのですが、殆どの人はこの変換がうまくいってません。
これは、体内酵素の生成量にも関係しています。
体内酵素がたくさん生成される子供の場合、この変換がしっかり起こっています。
また、葉酸には血中ホモシスティン濃度をコントロールする役割もあります。
ホモシスティンの血中濃度が高まると、血栓が生じるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。
葉酸は脳の健康にとっても有益
先ほど書いたホモシスティンですが、アルツハイマー病にも関係していると言われています。
最近の研究によると高い血中ホモシスティン濃度は脳細胞の死滅を引き起こす可能性があると報告されています。
血中ホモシスティン濃度とアルツハイマー病の関係を示すリサーチには、以下のようなものがあります。
一日に下に示したサプリメント(葉酸、B12、B6)を摂ってもらい2年間の追跡調査を行いました(プラセボ群との比較を行った)。
- 800mcgの葉酸
- 500㎎のB12
- 20㎎のB6
すると、プラセボ群に比べ、上記のビタミンB群を摂取していた被験者の脳神経細胞の数は多かったと報告されています。
このことは、ビタミンB群は血中ホモシスティン濃度を下げる効果があることが示唆されています(つまり、アルツハイマー病の予防になる)。
脳梗塞の80%は回避可能である
運動と食事により脳梗塞は、十分回避できます。例えば、運動不足の人の場合、脳梗塞の発症リスクは、週4回以上運動している人に比べ20%高いことがわかっています。
また、葉酸以外にもビタミンCと鉄分、カリウム、繊維も脳梗塞の予防には大切な栄養素です。