智慧の泉: ヨウ素が不足するとバカになる！？

この研究はインドの子供たち100名を対象に行われたものです。

年齢は9歳から15歳です。東インド地方にある二つ村から、それぞれ50名ずつ選出されました。

一つの村の土壌と水にはヨウ素がほとんど含まれていません。もう一方の村の土壌と水にはヨウ素が十分に含まれています。

この研究によると、ヨウ素がほとんど含まれていない村出身の子供たちはみな、多かれ少なかれ甲状腺腫が認められ、何らかの自覚症状が現れていました。

一方、ヨウ素が土壌と水に豊富に含まれている村出身の子供たちには、何も異常は見つかりませんでした。

そして、ヨウ素不足の子供たちは一様に学習能力が低かったのです。

さらに、驚くべきことに、ヨウ素不足は学習能力だけでなく、学習意欲の低下も引き起こしているかもしれないということです。

この論文では、まだ脳みその発達段階である幼少期におけるヨウ素不足は、脳神経にダメージを与える可能性があると結論付けています。

しかし、日本の子供たちはヨウ素不足を心配する必要はありません。

日本食には多くのヨウ素が含まれているからです。

さらに、食の欧米化に伴い、ジャンクフードが蔓延しています。幸か不幸か、ハンバーガーやポテトチップス、フレンチフライなどには、大量のヨウ素が含まれています。

食卓塩1g当たりには、約76㎎のヨウ素が含まれています。

従って、3gの食卓塩で228㎎のヨウ素を摂取することになります。ちなみに、一日のヨウ素の推奨摂取量は150㎎ですから、これで十分な量が補えています。

ヨウ素の過剰摂取による毒性については、何も報告がありません。

しかし、潜在的もしくは顕在的に甲状腺障害を持っている人がヨウ素を過剰摂取することで、ハシモト甲状腺腫や甲状腺機能低下症などが引き起こされることがありますので要注意です。

ヨウ素は欠乏しても過剰でも甲状腺の腺腫(肥大)を生じる。

実際、昆布を大量に摂取する北海道において、過剰摂取による腺腫が報告されており、ヨウ素の許容上限摂取量が1日当たり3㎎であるのに対して、北海道のある地域では80㎎も摂取していたというデータがある（参考：サプリメント事典）。

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2016年11月4日金曜日